うつわのお直し

【破損したうつわのお直しについて】

 

*お直しをご検討いただいている方は必ず最後までお読みいただき、内容をご理解いただいたうえでご依頼ください*

 

 

どんなにうつわを大切に使っていても、長年使っていれば欠けたり割れたりしてしまう時もあるもの。

そんな大切なうつわが破損した場合、当店でお買い上げいただいたものであればお直しを承ります。

注:当店でお買い上げいただいたうつわで、割れた器を当店にお持ち込みいただける方に限ります。

(修理後のうつわをご自宅へ配送ご希望の場合は実費で承ります。遠方の方はこちらへご旅行の際に店舗にお寄りいただきお預けいただくことも可能です。)

 

 

うつわの修理と言うと「金継ぎ」が思い浮かぶと思いますが、本漆の「金継ぎ」をプロの修復師さんにお願いすると一般的に、小さな欠けでも数千円、大きな欠けやヒビ、割れだと状況によっては新しいうつわと同じくらいかそれ以上の修理費になる場合が多くあります。

 

それだけ漆は高価で、漆を使ったうつわの修理には時間も技術も要するものなので当然なのですが、それ故欠けたり割れたりしたからといって気軽にお直しを…とはいかないことも多いものです。

 (時間も技術もさほど要しない「簡易金継ぎ」もありますが、一部工程または全ての工程で合成樹脂を使用しており、全ての工程で天然の漆しか使わない本漆金継ぎとは工程も安全性も全く違います)

 

でも大切に使ってきた愛着あるうつわが破損したからと言って処分してしまうのはとても悲しいですよね。

 

 

そこで、手乃音でお買い上げいただいたものは、できるだけ長くお使いいただきたい、そしてうつわを直して使う楽しさも知っていただきたい、との想いから店主が自分のうつわを直すために学んだ技術で宜しければ、材料費程度の修理費でお直しを承ります。

作業工程は、プロの漆工芸家に習った本漆金継ぎで修理いたします。

合成樹脂等は一切使用しませんので、修理後も安心して食器としてお使いいただけます。

 

 

気軽に修理して使い続ける、というのが当店での修理の目的となりますので、装飾方法は金属粉を蒔かずにうつわに合う色漆で仕上げる方法となります。 

 

 

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落下による割れと欠けの修理

 

 

 

金粉や銀粉を蒔いて仕上げる装飾方法は美しく華やかに仕上がりますが、金粉や銀粉自体が高価なもので安価にはできませんので承っておりません。

(最終工程で金属粉を蒔くか、金属粉を蒔かずに色漆で仕上げるか、の違いだけで強度やその他の工程に違いはありません)

 

当店で修理して、「うつわを直して使うって良いな」「次は金や銀で装飾してみたいな」と思っていただけたら、プロの修復師さんにお願いすると良いかと思います。

 

 

 

修理方法は下記のような手順で行います。(欠け、割れ、ヒビによって多少工程は異なります)

 

1.割れた面の清掃、削り処理

2.割れた面、欠けた面に漆を塗って乾かす

3.割れに接着用の漆(麦漆)を塗って接着し乾かす

4.表面を整える

5.欠け、また破片がないところは埋め用の漆(刻苧漆や錆漆)で埋めて乾かす

6.修理面を削って形を出し研ぐ

  綺麗に埋まらない場合、欠けが深いまたは大きい場合は5.6を繰り返します

7.表面が整ったら下地に漆を塗って乾かす

8.仕上げ用漆を塗って乾かす(数回)

 完 成

 

 

ざっと簡単に書いただけでこれだけの手順があり、当店で多く取り扱う釉薬がマットなうつわや焼き締めに近いうつわなどは、修理箇所以外が汚れないようにマスキングテープでマスキングをしたり、必要以上に漆が浸み込まないように処理をしたり、とうつわにより他にも様々な作業があります。

 

 

また、漆は乾くまでの時間を要し、上記の作業で短いものでは三日程度、長くなると二週間程度、乾くまでに時間がかかります。

そして、完全に乾いていない漆は人によってかぶれることもあるため、作業終了後約一か月おいてからのお渡しとさせていただきます。

(完全に乾いた漆はかぶれません)

 

漆は時間が経つにつれより強固で堅牢になるため、継ぎの完成後一か月くらい経ってから使うほうが良いとされていますのでちょうど良いかと。

そのためお預かりからお渡しまでは4か月~半年程度お時間をいただきます。

(展示会が連続して入っている時期は修理に時間が取れませんので、特に長くお預かりすることになります)

 

 

 

 料金はヒビ、欠け、割れなど破損の種類、大きさに関わらず一律料金と致します。

(ただし割れは5片まで。破片が6片以上の割れはご相談ください)

 

 

店主は「修復師」ではありませんので、修理を承るのはあくまで【当店でお買い上げいただいたうつわのみ】とさせていただきます。

 

 

修理をお考えの場合は上記の件をご了承の上お申し込み下さい。

 

 

 

 

◆ 修理の参考例 ◆

 

修理箇所のうつわの色に合わせて漆の色を変えたもの

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 ヒビの修理

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口縁の欠け(黒の漆で装飾しているのでわかりにくいですが、左上の半月型です)

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*修理費用:作品一点につき 破損の種類に関わらず一律800円(税込み) 

(店舗にて、破損したうつわをお預かり時にお支払い・現金のみ

 割れは破損部品が5片まで。6片以上はご相談ください。

 

重要!:砂のようになってしまったもの以外、どんなに小さくても破損した破片は一緒にお持ちください。

    破片がないと修理に大幅に時間を要したり、修理が困難になる場合があります。

   (破片がなくても大丈夫な場合がほとんどですので、ない場合はそのままお持ちください)

 

 

*修理を承れる数に限りがありますので、お電話またはメールにてご連絡後にご来店ください。

電話:090-9304-8189(火・金・土のみ)

mail:「お問い合わせ」欄よりお願いします

 

 

 

また、金や銀でなくていいので金属粉を蒔いて仕上げてみたい、という場合は+300円で錫粉蒔きを承ります。

(錫粉を蒔いても食器としての安全性は変わりません)

 

蒔きっぱなしだと金色っぽく、磨くと銀色になります(どちらか選択してください)

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お預かりできるうつわは当店でお買い上げいただいたもののみ、破損したうつわを店舗にお持ち込みできる方に限ります。

完成後、配送ご希望の場合はお預かり時に承ります。

(配送料及び梱包材代実費ご負担ください。前払い・お支払いは現金のみ

 

 

 

≪修理依頼の前に・・・≫

*修理後の器は陶器ではなく、漆器と同じ扱いになりますので電子レンジや食洗器可のうつわも修理後は不可となります。

 

*耐熱・耐火の器は修理後はオーブンや直火での使用はできません。

 修理後は耐熱ではない普通の器としてならご使用いただけますが耐熱・耐火の機能はなくなりますので、小さな欠け程度でしたら(ヒビがないことをご確認ください)修理せずにご使用を続けることをお勧めします。 

 

*花瓶等水に浸かっている時間が長いものの修理は承れません。

 

*ガラス及び木のうつわの修理は承れません。

 

 

 

大切なうつわをより長くご愛用いただけますように。